生活保護制度の概要
生活保護は憲法第25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」に基づく制度で、生活に困窮する全ての国民が対象です。保護の種類は生活扶助・住宅扶助・医療扶助・教育扶助・介護扶助等があり、必要な扶助が現金または現物で給付されます。医療扶助は指定医療機関で現物給付(原則として無料で医療を受けられる)のため、病気による医療費負担がなくなります。
計算例
東京23区(1類地)の単身成人の場合、生活扶助(第1類+第2類)は月約75,000円前後、住宅扶助上限は月53,700円(2025年度)。医療扶助は医療費が現物給付(自己負担なし)。合計基準額は月約130,000円程度となります。これを下回る収入しかない場合、差額が保護費として支給されます。
生活保護申請の流れ
生活保護の申請は住所地(住民票のある)の福祉事務所で行います。手続きは申請(書面・口頭可)、家庭訪問・収入調査(14日以内に決定が原則)、保護開始の順です。申請から決定まで最長30日かかります。申請に必要な書類は各自治体で異なりますが、基本的に通帳・身分証・家賃の契約書等が必要です。書類が揃わなくても申請は受理されなければなりません。
Frequently asked questions
- 生活保護を受給するための要件は何ですか?
- 生活保護を受給するには、資産(不動産・車・預貯金等)の活用、稼働能力(働ける場合は就労)の活用、扶養義務者(配偶者・直系血族・兄弟姉妹等)からの援助、他の社会保障制度(年金・雇用保険等)の活用を先に行ってもなお生活費が最低生活費に満たない場合に申請できます。持ち家がある場合は原則として売却が求められますが、ローン完済済みの自宅は居住用として保有が認められる場合があります。車は原則として保有不可ですが、地方で交通手段がない場合など例外があります。
- 生活保護の金額はどのように決まりますか?
- 生活保護の保護基準額は、最低生活費を保障する額として、生活扶助(日常生活費)、住宅扶助(家賃)、医療扶助(医療費)などの扶助種別ごとに算定されます。生活扶助の金額は都市部(1類地)ほど高く、世帯人数が増えるほど加算されますが、1人あたりは減少します。2025年度の単身の生活扶助額は東京23区内で月約75,000円から80,000円程度、住宅扶助の上限は東京では月53,700円(単身、2025年度基準)です。
- 生活保護申請を拒否された場合はどうすればいいですか?
- 生活保護申請は「水際作戦」と呼ばれる申請妨害が問題視されており、窓口で申請を断られることがあります。しかし生活保護は申請権が保護されており、要件を満たす場合は受給できる権利があります。申請を拒否された場合は、弁護士・司法書士・社会福祉士などの支援団体(NPO法人等)に相談することを強くお勧めします。生活困窮者自立支援相談窓口(各市区町村)も活用できます。法テラス(0570-078374)でも無料法律相談が可能です。
- 生活保護を受けながら働くことはできますか?
- 生活保護を受けながら就労することは可能で、就労収入があれば保護費から収入分が差し引かれますが、就労収入すべてが差し引かれるわけではありません。就労収入のうち一定割合(勤労控除)が手元に残る仕組みがあります。また就労自立給付金制度により、就労等で保護廃止になった場合に廃止前6か月の就労収入の一定割合を給付する制度もあります。就労可能な方が生活保護を受ける場合は、ハローワークへの登録や就職活動が求められることが多いです。