介護保険制度の概要
介護保険は2000年4月に開始された社会保険制度で、要介護・要支援認定を受けた方が介護サービスを利用した際の費用を社会全体でカバーします。財源は被保険者の保険料が50%、国・都道府県・市区町村の税金が50%です。65歳以上は第1号被保険者として市区町村が算定した保険料を年金天引きで納め、40歳から64歳は第2号被保険者として健康保険と合算で納めます。
計算例
月給40万円の40代会社員の介護保険料(本人負担)は月約3,640円(40万円×0.91%)。要介護3で1割負担のサービス利用上限は月約27,048円(270,480円×10%)。高額介護サービス費の上限(一般的所得の場合)は月44,400円のため、利用限度額いっぱいまで使っても上限を下回ります。5年間の累積介護費用(在宅サービス)は約162万円となります。
介護費用の準備方法
介護費用への備えとして、民間の介護保険(要介護2以上から給付が多い)の加入、老後資金の一部を介護費用として確保する方法があります。また在宅介護と施設介護では費用が大きく異なります。施設入所(特別養護老人ホーム等)は自己負担が月10万円から20万円以上かかることもありますが、待機者が多く入所まで時間がかかる現状もあります。家族でどのような介護を希望するかを事前に話し合っておくことが重要です。
Frequently asked questions
- 介護保険料はいくら払っていますか?
- 介護保険は40歳になると加入義務が生じます。40歳から64歳(第2号被保険者)は健康保険料と合算して徴収されます。協会けんぽの介護保険料率は2025年度で1.82%(労使折半のため個人負担は0.91%)です。例えば月給30万円の場合、介護保険料(本人負担)は月約2,730円(30万円×0.91%)です。65歳以上(第1号被保険者)は年金から天引きされ、保険料は前年所得に応じて市区町村が算定します(全国平均は月6,000円前後)。
- 介護サービスを利用した場合の自己負担はいくらですか?
- 介護サービスの自己負担割合は所得に応じて1割・2割・3割の3段階があります。2割負担は65歳以上で合計所得金額160万円以上(年金収入280万円相当以上)、3割負担は65歳以上で合計所得金額220万円以上(年金収入340万円相当以上)の方が対象です。月額の自己負担には上限(高額介護サービス費)があり、一般的な所得の方は月44,400円、低所得者は15,000円が上限です。施設入所の場合は食費・居住費は別途自己負担となります。
- 要介護度別の介護費用はどのくらいですか?
- 要介護度が高いほど利用できるサービス量が多く費用も増えます。在宅の場合の1か月の限度額は、要支援1が50,320円、要支援2が105,310円、要介護1が167,650円、要介護2が197,050円、要介護3が270,480円、要介護4が309,380円、要介護5が362,170円です(2024年度)。限度額の1割(または2割・3割)が自己負担です。施設入所の場合は食費・居住費などの全額自己負担も加わります。
- 介護費用のために貯蓄はどのくらい必要ですか?
- 生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用(一時費用・住宅改修等)の平均は約74万円、月々の費用は平均約8.3万円(2022年調査)とされています。介護期間の平均は5年1か月で、この計算では総額約580万円となります。ただし要介護度や介護形態(在宅か施設か)によって費用は大きく異なります。老後資金の中に介護費用の見込み額も含めて計画することが重要です。