コーストFIREの考え方と日本での活用
コーストFIREは「追加積立ゼロ」でも老後の目標資産に届く、という状態を指します。若いほど複利成長の期間が長いため、少ない資産でコーストFIREを達成できます。35歳でコーストFIREを達成した場合、65歳まで30年間資産を増やし続けながら、働く量を減らしたり好きな仕事だけをするライフスタイルが選択肢に入ります。日本ではNISA(非課税)での長期インデックス投資がコーストFIRE達成の基盤となります。
計算例
現在35歳、老後(65歳)の目標資産6,000万円、想定年利回り5%の場合。コーストFIRE必要資産額は6,000万円 / (1.05)^30 = 約1,388万円となります。現在1,000万円の投資資産がある場合、あと388万円の積立でコーストFIRE達成となります。以後は積立を止めても65歳時点で約6,000万円に成長する計算です。
日本版コーストFIRE実現のポイント
コーストFIRE達成後も生活費は稼ぐ必要があります。社会保険加入を維持しながら(週20時間以上のアルバイト等で加入可能)生活費を稼ぎつつ、老後資産は複利に任せる戦略が日本では現実的です。また年金受取額を最大化するため、厚生年金に加入し続けることも将来の年金額を増やす効果があります。コーストFIRE後のライフスタイルとして、フリーランス、パートタイム就労、好きなことを仕事にするセミリタイア等が選択肢です。
Frequently asked questions
- コーストFIREとは何ですか?
- コーストFIREはFIRE(Financial Independence, Retire Early)の一形態で、追加の投資・積立をしなくても、現在保有する資産が複利で成長して老後に必要な金額に到達できる状態のことです。コーストFIREを達成すると、生活費をまかなう程度の収入(アルバイト・パート・自営業等)を得ながら、老後の資産形成は「資産の複利成長に任せる」という生活スタイルが選択可能になります。日本ではNISAやiDeCoを活用した長期投資がコーストFIRE達成の近道です。
- 日本でFIREを達成するために必要な資産額はいくらですか?
- FIREの目標資産額は年間生活費の25倍が基本(4%ルール)です。日本の場合、物価や年金制度を考慮した3%から3.5%の引出率を使う考え方もあります。年間生活費300万円(月25万円)の場合、4%ルールで7,500万円、3.5%ルールで8,571万円が目標資産となります。公的年金(65歳から月15万円から20万円程度)を考慮して、65歳以降の生活費補填分を差し引いて計算することで目標資産を低くできます。
- NISAとiDeCoをどう組み合わせればFIREに有利ですか?
- NISAは運用益・配当が非課税で、いつでも引き出し可能(60歳前の引き出しも可)なため、FIRE達成後の生活費引き出しに最適です。iDeCoは掛金が全額所得控除(年間最大81.6万円まで)で節税効果が高いですが、60歳まで引き出せません。FIREを目指す場合、まずNISA(積立投資枠年120万円、成長投資枠年240万円)を最大活用し、余裕があればiDeCoも活用するのが一般的な戦略です。60歳以降の老後資金はiDeCo、60歳前の早期引退後の生活費はNISAという役割分担が有効です。
- 日本でFIREした後の税務はどうなりますか?
- FIRE後に就労収入がない場合、投資収益(配当・譲渡益)が主な収入となります。NISA口座内の収益は非課税ですが、特定口座での運用益には20.315%の税金がかかります。所得が低い年は確定申告で総合課税を選択すると、配当所得等に低い税率が適用される場合があります(所得195万円以下は5%)。またFIRE後も国民健康保険料・国民年金保険料の支払いが必要で、健康保険料は前年所得に基づいて計算されます。FIRE直後は退職前の高所得が基準となるため、最初の1から2年は保険料負担が大きくなる点に注意が必要です。