不動産贈与の税務の基本
不動産の贈与税は土地の路線価(または倍率)評価額と建物の固定資産税評価額の合計を贈与財産価額として計算します。暦年課税の基礎控除110万円を差し引いた課税価格に累進税率を適用します。直系尊属から成年の子・孫への贈与は特例贈与財産として低率の税率が適用されます。
計算例
土地の贈与税評価額2,000万円・建物評価額800万円・特例贈与(基礎控除110万円のみ)の場合、課税価格=2,800万円-110万円=2,690万円です。特例贈与税率は2,690万円×45%-265万円=945.5万円となります。配偶者控除2,000万円が適用できれば課税価格=800万円-110万円=690万円となり、690万円×30%-90万円=117万円に大幅軽減されます。
不動産贈与の節税ポイント
評価額が高い不動産の一度の贈与は高額の贈与税が発生します。配偶者控除の活用や住宅取得等資金の贈与税非課税制度との組み合わせ、相続時精算課税の活用を検討しましょう。贈与登記(所有権移転登記)には登録免許税(評価額の2%)もかかります。必ず税理士に相談してから実行することを推奨します。
Frequently asked questions
- 不動産を贈与した場合の贈与税の評価額はどう計算しますか?
- 不動産の贈与税評価額は、土地は路線価方式(路線価×各種補正率×地積)または倍率方式(固定資産税評価額×倍率)で計算します。建物は固定資産税評価額がそのまま贈与税評価額となります。例えば路線価評価額3,000万円の土地と固定資産税評価額1,500万円の建物を贈与した場合、合計4,500万円が贈与財産の評価額となります。市場価格より相続税・贈与税評価額は低くなることが多いため、現金より不動産で贈与する方が税負担が低くなる場合があります。
- 親から子への不動産贈与の税率はどのくらいですか?
- 直系尊属(父母・祖父母)から成年の子・孫への贈与は「特例贈与財産」として低率の税率が適用されます。基礎控除110万円を差し引いた課税価格に応じて10%から55%の累進税率が適用されます。例えば課税価格500万円(評価額610万円-110万円)の場合、特例贈与税率20%(控除30万円)で70万円の贈与税となります。一方、一般贈与(兄弟間・配偶者への贈与など)は同じ課税価格でも税率が高くなります(500万円では30%-25万円=125万円)。
- 不動産の贈与は相続より節税になりますか?
- 単純な贈与税と相続税の比較では、相続税の税率が低いケースが多く(基礎控除も相続の方が大きい:3,000万円+600万円×法定相続人数)、生前贈与が必ずしも節税になるとは限りません。ただし、価値上昇が見込まれる不動産を早期に贈与することで将来の相続財産を圧縮できる場合があります。また相続時精算課税制度を使うと2,500万円まで贈与税を猶予できますが、相続時に精算されます。複数の相続人への分散や「小規模宅地の特例」(最大80%減)との組み合わせも重要です。専門家(税理士)への相談を強く推奨します。
- 配偶者への居住用不動産の贈与には特例がありますか?
- 婚姻20年以上の配偶者へ居住用不動産(または取得資金)を贈与する場合、「配偶者控除」として最大2,000万円まで非課税となります(暦年贈与の基礎控除110万円と合わせて最大2,110万円が非課税)。適用条件は日本国内の居住用不動産であること、贈与を受けた翌年3月15日までに居住し、引き続き居住する見込みがあること、過去に同じ配偶者から本特例の適用を受けていないことです。贈与税申告が必要であり(贈与税がゼロでも申告必要)、戸籍謄本・住民票・不動産の評価証明書などの書類が必要です。