不動産と消費税のルール
日本では土地の売買は消費税の非課税取引です。建物(居住用・事業用問わず)は消費税の課税対象となりますが、売主が消費税の課税事業者(法人または一定規模以上の個人事業主)の場合にのみ消費税が発生します。新築住宅や建売住宅は通常、不動産会社が売主なので建物部分に10%の消費税がかかります。個人間取引の中古住宅は非課税です。
計算例
売買価格5,000万円、土地比率60%(土地3,000万円・建物2,000万円)の新築戸建て(不動産会社売主)の場合、消費税は2,000万円×10%=200万円です。税込み価格は5,200万円となります。同物件でも個人間売買なら消費税は0円です。
消費税申告と仕入税額控除
賃貸用不動産を購入した課税事業者は、建物部分の消費税を仕入税額控除できます。ただし居住用賃貸建物(2020年10月以降の取得)は仕入税額控除が原則制限されています。事業用途の場合は税理士に相談することを推奨します。
Frequently asked questions
- 不動産売買で消費税がかかるのはどの部分ですか?
- 不動産売買において、土地の売買は消費税の非課税取引とされています。建物(住宅・店舗・事務所など)の売買は消費税の課税取引であり、標準税率10%が適用されます。個人が自宅を売却する場合は非課税事業者であるため消費税は関係ありませんが、不動産会社(課税事業者)が売主の場合は建物部分に10%の消費税が発生します。したがって同じ物件でも、売主が個人か不動産会社かによって消費税の有無が変わります。新築マンションや建売住宅は通常、不動産会社が売主なので建物部分に消費税がかかります。
- 不動産の土地と建物の価格按分はどうやって決まりますか?
- 売買価格に占める土地と建物の割合は、当事者間で合意した売買契約書の記載によります。合理的な按分が必要で、一般的には固定資産税評価額の比率を用いる方法が広く使われます。例えば土地の評価額が1,500万円、建物の評価額が1,000万円(合計2,500万円)の場合、土地比率60%・建物比率40%となります。売買価格5,000万円なら建物2,000万円に10%の消費税200万円が発生します。消費税仕入税額控除の観点から、売主が事業者の場合は建物価格を高めに設定するインセンティブがありますが、不合理な按分は税務調査で否認されるリスクがあります。
- 住宅ローン控除と消費税の関係はありますか?
- 消費税10%(2019年10月以降)が課税された住宅を取得した場合、住宅ローン控除の控除期間が13年間(非課税取引・個人間売買は10年間)に延長されます。消費税課税の有無が住宅ローン控除の適用期間に影響するため、売主が消費税の課税事業者か確認することが重要です。また、消費税10%課税の住宅(2019年10月以降入居)を対象に、すまい給付金(現在は終了)などの支援措置が設けられた経緯があります。現在は住宅ローン控除の拡充(借入限度額の引き上げ等)が消費税増税に伴う負担軽減措置として機能しています。
- 中古住宅(個人売主)の場合も消費税はかかりますか?
- 個人が居住用として使用していた中古住宅を個人間で売買する場合、消費税は非課税です。ただし不動産仲介業者が間に入る場合、仲介手数料(物件価格の3%+6万円+消費税が上限)には消費税10%がかかります。一方、不動産会社が買い取って転売(買取再販)する場合は、売主が課税事業者となるため建物部分に消費税10%が課税されます。個人間取引でも、賃貸用等の事業用不動産を売却する際は消費税の課税事業者に該当する場合があり、基準期間(2年前)の課税売上高が1,000万円超の個人は消費税申告が必要です。